第2節 GaussianViewとGaussView03 を用いた反応解析

I. GausView03の初期画面

  1. GausView03を立ち上げると、2つのウインドーが現れる。
    1つは、(a)分子のBuilderツールを選択、(b)他は分子ビルダーのウインドーである。


            (a) ツールウインドー                       (b)分子ウインドー

  2. ツールボタンの意味




U.プロピンの作成と計算

  1. プロピンの作成

    1. File-New-CreateMol group を選択するか、 をクリックする。
    2. Element fragmentボタンを1回または2回クリックすると周期表ウインドーが現れる。



    3. 周期表の炭素をクリックした後、sp3ボタン  をクリックする。
    4. 分子ウインドウ内でクリックすると、選択されたフラグメントの構造(この場合はメタン)が現れる。

    5. ツールウインドーのspボタン  をクリックする。
    6. 分子ウインドーのメタンの水素をクリックする。

    7. 三重結合の先頭をクリックすると、プロピンが完成する。



      i〜ivの操作を上に図示した。


  2. プロピンの構造最適化
    1. File-Saveを選択またはSaveボタンをクリックする。現れたウインドーを用いて、適当な場所に適当な名前(例えば、~/example/propyne.com)で保存する。

    2. Calculate-Gaussian を選択すると、計算方法を決定するウインドーが現れる。
    3. プルダウンメニューからOptimizationを選択し、構造最適化を行う設定とする。GaussView03では計算方法として、RHF/3-21G geom=connectivity がデフォールトで設定されている。optはプルダウンメニューからの選択による。



    4. Submitボタンをクリックする。次のウインドーが現れる。



    5. 保存するファイル名を入力し、SAVEボタンをクリックする。

    6. 現れた上書き確認ウインドー(下図A)でYesをクリックする。


        
              (A)                            (B)

    7. 何回かOKをクリックすると計算が始まる。

    8. 計算が終了したら、計算終了を示すウインドーが現れるので、Yesボタンをクリックする。



    9. 計算に使用したチェックポイントファイルを選択し、Openボタンをクリックする。計算結果を見るには、logファイルを指定しても良い。






  3. 構造パラメータの計測


    1. 結合距離の計測するために、現れたウインドーで、Inquireボタンをクリックする。

    2. 2つの炭素を続いてクリックすると、ウインドーの下に結合距離(1.18849)が現れる。



    3. 結合角はをクリックした後3つの原子を、二面角はをクリックした後4つの原子をクリックすることで、相当する値を表示することができる。


  4. プロピンの振動解析


    1. 最適化されたプロピンを表示しているウインドーをアクティブにする。。

    2. Calculation-Gaussianを選択する。

    3. 現れたウインドーで、Job Typeタグをクリックし、”Frequency"をプルダウンメニューから選ぶ。計算方法や基底関数などは、チェックポイントファイルから読み込まれたものが設定されている。



    4. Submitボタンをクリックする。

    5. ファイル名をfreqpropyne.comとして保存すると、計算が始まる。

    6. 計算終了後、計算に用いたチェックポイントファイル(propyne.chk)を開く。

    7. ツールウインドーのプルダウンメニューからResults-Vibrationを選択すると、計算された振動数が持つウインドーが開く。

    8. 適当な振動をクリックして選択し、スタートボタンをクリックする。以下の例では、振動数が2番目の基準振動を選択している。Freqはcm-1単位で振動数、Infrared及びRamanはそれぞれの振動の吸収強度を示している。



    9. Startボタンをクリックすると、振動のアニメーションが始まる。





II. Menshutkin反応(SN2反応)の遷移状態探索


  1. 遷移状態探索のための初期構造の作成


    1. File-New-Create MolGroupを選択して新しい分子ウインドーを設定する。



    2. ツールウインドーのElement fragmentボタンをクリックし、周期表を表示させる。

    3. 周期表からP(リン)を選択し、ついで、三角両錐型を選択する。これはTSの構造において中央の炭素が三方両錐型をとるためである。


    4. 中心のリン@を炭素に変換する.この操作は、周期表を出してCをクリックした後、をクリックした後に、中心のP(リン元素)をクリックする。

    5. アキシャル位の1つの水素Aを臭素に変更する。

    6. 残ったアキシャル位の水素Bをメチル基で置換する。

    7. 置換されたメチル基の炭素を、窒素Cに変更する。




    8. Modify Bondボタンをクリックし、CとNの2つの原子をクリックする。現れたウィンドーでC-N距離を2.4Åに設定する。



    9. 作成した分子をreac.com(.comの入力は不要)の名前で保存する。このとき、Write Cartesiansチェックボックスをセットすることを忘れない。






2.TS_Searchプログラムを用いたミニマムエネルギーパス計算


  1. TS_Searchプログラムを立ち上げ、保存したファイル「reac.com」を読み込む。

  2. Output Fileテキストボックスにminp.comを入力する。



  3. Make Inputボタンをクリックすると、 Gaussianウインドーが現れる。

  4. Min Eng.チェックボックスをクリックする。



  5. Moleculeウインドーが現れるので、設定を行うために、N9、C4の順にクリックする。その後、set atomsボタンをクリックして設定を確定すると共に、このウインドーを消去する。




  6. Gaussianウインドーが現れるのでHamiltonianプルダウンメニュー@から、PM3を選択する。



  7. Initial valA、IncrementB、# of SearchCをそれぞれ2.4、-0.1、8を設定する。これにより、C4-N9距離を2.4Åから0.1Å刻みで1.6Åまで減少させるミニマムエネルギーパス計算の設定を行うことができる。

  8. Make InputボタンDをクリックすると、テキストウインドーに作成された入力が現れる。

  9.  Run Gaus98ボタンをクリックして、Gaussian98を実行させる。

  10. Returnボタンをクリックして、TS_Searchウインドーに戻る。





3.TS候補構造の抜き出し


  1. TOPコマンドなどで、Gaussian98の実行の終了を確認する。PM3計算なので、長い時間はかからない。

  2. 計算終了後、TS_SearchウインドーのExt. Minp.ボタンをクリックする。現れたファイル選択ウインドーで、minp.log を選択する。

  3. 現れたPotentialウインドーのポテンシャル曲線の最高点(1.9Åの〇)をクリックするF。Positionテキストボックスに指定した場所の数値が示される。



  4. Ext. Coord.ボタンGをクリックする。この操作によりminpex.comファイルが作成される。

  5. HOKボタンをクリックして、TS_Searchウインドーに戻る。




4.GaussViewプログラムを用いたTSの計算

  1. GaussView03プログラムで、minpex.comファイルを読み込む。

  2. Job TypeをOptimization@に設定する。

  3. プルダウンメニューからTS(Berny)A、OnceBを選択する。



  4. Additional Keywords:テキストボックスCにopt=noeigentestを入力した後、MethodDタグをクリックする。

  5. 現れたウインドーのプルダウンメニューから、EHartree-Fock、E3-21Gを選択する。



  6. SubmitボタンGをクリックし、Jobの実行を開始する。





5.結果の確認と振動解析


  1. 計算が終了したら次のウインドーが現れるのでOKボタンをクリックする。



  2. 現れたファイル選択ウインドーで、minpex.chkを選択すると、最適化されたTS構造を有する新たなウインドーが現れる。下に、最適化されたされた構造を示す。

    (単位はÅ)

  3. この構造を使って振動解析(プロピンの項を参考にせよ)を行うと、460.385i cm-1の虚の振動数を有する基準振動が1つであることが計算される。






III. Diels-Alder反応の遷移状態の探索

  1. 初期構造の作成

    1. cis-2-ブテンを作成する。

    2. 矢印で示した水素をクリックして、cis-3-ヘキセンを作成する。
    3. シクロヘキセンに不要の水素を2個消去する。



    4. build.comの名前で保存する。「Write Cartesiana」チェックボックスをクリックすることを忘れない。

    5. TS_Searchプログラムを立ち上げ、保存したファイル (build.com)を読み込む。

    6. Output Fileテキストボックスに、reac.comを入力したののち、Make Inputボタンをクリックする。



    7. PM3法を用いて構造最適化を行う。





2.TS探索のための候補構造の作成

  1. 構造最適化が正常終了したことを確認した後、TS_Searchプログラムを立ち上げる。

  2. Extract Zmatボタンをクリックし、最適化計算の出力ファイルreac.logを選択する。抜き出された座標は、reac.crdに格納され、 Input Fileテキストボックスにその名前が表示される。。



  3. Jmolを用いて、最適化された構造を確認する。

  4. TS_SearchプログラムのOutput Fileテキストボックスにprets.comを入力する。

  5. Make Input ボタンをクリックする。現れたGaussianウインドーで、Min. Eng.チェックボックスをクリックする。

  6. Moleculeウィンドーが現れるので、@〜Cの順に原子をクリックする。後の構造最適化計算では@−A、B−Cで指定された原子間距離を固定される。シクロヘキセンの作成の方法により原子の番号が異なる場合が考えられる。その場合にはよく考えて、固定する原子を指定すること。



  7.  Set Atomsボタンをクリックして、原子の指定を確認させると共にMoleculeウインドーを消去する。

  8. PM3計算で、遷移状態探索のための候補構造を作成する目的でD〜Gの設定を行う。



  9. 設定が終了したらMake InputボタンHをクリックする。Gaussian98の入力が作成される。

  10. Gaussian98を実行するために、Run Gaus98ボタンIをクリックする。

  11. Returnボタンをクリックして、GaussianWindowを閉じる。



3.RHF/3−21GレベルのTS計算

  1. TS_SearchプログラムのExtract Zmatボタンで、最適化された出力(prets.log)から、最適構造を抜き出す。

  2. TS_SearchプログラムのOutput Fileテキストボックスに、ファイル名ts.comを入力する。



  3. RHF/3-21GレベルのTS探索計算を行うために、以下の設定を行う。



  4. C Make Inputボタンをクリックし、入力を作成する。

  5. D Run Gaus98ボタンをクリックし、計算を実行する。

  6. Returnボタンをクリックして、GaussianWindowを閉じる。




4.結果の確認と振動解析(以下の計算はGaussView を用いても良い)

  1. TOP等で計算が終了したことを確認する。

  2. TS_SearchプログラムのExtract Zmatボタンで、最適化された出力(ts.log)から最適構造を抜き出す。Jmolプログラムで、TSが以下に示す構造であることを構造を確認せよ。
     下に示したTSの構造では、生成しつつある2つのC-C結合の距離が等しい。この結果は、反応が協奏的機構に進行すること示している。


  3. TS_SearchプログラムのOutput Fileテキストボックスに、ファイル名freq.comを入力する。



  4. RHF/3-21Gレベルの振動解析を行うために、以下の設定を行う。




  5. Make Inputボタンをクリックし、入力を作成する。

  6. Run Gaus98ボタンをクリックし、計算を実行する。

  7. Returnボタンをクリックして、GaussianWindowを閉じる。

  8. 計算の終了を確認する。TS_SearchウインドーのDisplay Vib. ボタンをクリックし、freq.logファイルを選択する。

  9. Vibrationウインドーでプルダウンメニューをクリックし、虚の振動数をもつ振動がただ1つだけであることを確認する。


  10. Make a Vibrationボタンをクリックする。振動確認のためファイができるので(vib.xyz)、JMolで確認する。

  11. Return ボタンをクリックし、Vibrationウインドーを閉じる。




5. 極限的反応座標(IRC)計算

  1. TS_SearchウインドーのDisplay Molボタンで、TSのファイル(ts.crdが保存されているはず)を読み込む。

  2. Output Fileテキストボックスに、irc.comを入力する。



  3. Make Inputボタンをクリックする。現れるGaussianウインドーで、以下の設定を行う。



  4. Make Inputボタンをクリックし、Gaussian98の入力を作成した後、Run Gaus98ボタンで計算を実行する。

  5. Returnボタンをクリックして、Gaussianウィンドーを閉じる。

  6. 計算が終了したら、Extract IRCボタンをクリックして、irc.logを指定する。計算がうまく終了していれば、logファイルと同じホルダにirc.ircファイルとして、抽出される。

  7. Display IRCボタンをクリックし、ついでJMolでそのアニメーションをする。結果を以下に示す。